音の高さを変える3要素
音の高さ、すなわち絃の振動数を変える要素として、絃の長さ・張力・線密度の3つがあります。
線密度は絹とテトロンで違いますが、同じ材質であれば太さと言い換えて良いでしょう。
音の高さと3要素の間には次のような関係があります。
長さ張力太さ(線密度)
長い→低い弱い→低い太い→低い
短い→高い強い→高い細い→高い

長さで変える
調弦は長さで音の高さを変える方法です。
長さとは言うまでもなく、柱(じ)の右側の音を出す部分の長さになります。
特殊な効果を狙って柱の左側の音を使う場合がありますが、右側の「表」に対して「裏」と呼ばれます。
「裏を弾く」と言われても、箏を裏返したりしないように。(^o^)
絃ではありませんが、尺八の様な管楽器でも管の長さで音の高さを変えるのは全く同じ原理です。

張力で変える
張力は、お琴屋さんに糸を張ってもらう時点で決ってしまいますが、演奏中にも左手の奏法で変えています。
「押し」や「引き」は張力を変える操作です。
三味線の調子は「糸巻」で張力を加減します。

太さで変える
太さは好みによりますが、時代と共に細くなる傾向にあります。
太さを表す数値は、一般には数値が大きくなると細くなりますが、琴の糸は重さを基準にしているので数値が大きくなると太くなります。

3要素の影響
3要素が音程にどの程度影響するか、音程を色々変えてみよう。
音をどれだけ変えたいか選ぶ→
上げ下げを選ぶ→上げ  下げ
長さ張力重さ,直径
倍,
柱の移動と音の高さ
演奏中に柱を動かすことがあります。多分、糸に印をつけていることでしょう。
その位置は何センチ離れているでしょうか。
今の位置から何センチ動かしたら良いだろうか。
現在の柱の位置(右から)を入れる→cm
音をどれだけ変えたいか選ぶ→
下げ方向は左へcm 動かす 上げ方向は右へcm 動かす
いかがですか? いつもの印の位置とわずかに違うかも知れません。
ここでは、1オクターブを半音12個に等分に分ける平均律で計算しています。
ところが日本音階はこれとはわずかに違い、特に半音の幅は平均律よりかなり狭くなります。
半音の幅が狭いことが情緒を生み出しているとも言えますが、どの程度狭くするかは奏者の好みや曲想によります。